Red ribbon とred tape
- 2014/10/08
- 翻訳・英語
フィリピンの証明書に付される外務省の認証には、赤いリボンが斜めに掛けられ金色のシールでしっかり押さえられています。「リボンとシールのないものは無効」と書かれており、何とも大げさで役所の権威を見せつけられている感じがします。
Red ribbon で思い起こすのがred tapeです。
red tape:official routine or procedure marked by excessive complexity which results in delay or inaction (お役所の形式的すぎる手続き)
Cut (through) red tape と言えば「役所的手続きを 減らす」の意味です。
Red tape の由来は、1600年代のヨーロッパで役所の急ぎの書類を「赤いひも」で結んでいたことだとか。
赤には「権威」や「注意」の意味があるのでしょうか。
日本では消防車、郵便車、ポストは例外なく赤と決まっています。消防車が赤いのは、目立つことで緊急走行のときの事故を防ぐという理由から、ほぼ世界共通のようです。アメリカには消防車の色に関する法律がないので、自由な色を使用する事が許されているそうですが、それでも主流は赤だとか。
一方、UAE (アラブ首長国連邦)とカタールでは、全ての消防車両が例外なく黄色だそうで、不思議です。
アメリカでも、黄色が「安全」をイメージさせることから70~80年代にかけて、ライムグリーン(黄緑色)を消防車に使ったとか。ちなみにアメリカのポスト(mailbox)は青色です。
この他、赤にまつわる言葉を並べてみました。
赤点、赤字、赤の他人、真っ赤なウソ、赤っ恥、赤貧洗うがごとし、赤帽さん、赤ちょうちん、赤線、赤旗、赤の広場、レッド・パージ、レッドカーペット、赤十字、赤軍
以下のような運動の象徴としても「赤」が使われています。
- Red Ribbon campaign: the oldest and largest drug prevention campaign in America, celebrated during the last full week in October each year.
(全米最大で最古の麻薬撲滅運動。毎年10月最後の週にキャンペーンが行われる。)
レッドリボンは古くは、ヨーロッパの伝承的風習で、病気や事故で人生を全うできなかった人々への追悼の気持ちを表すものでした。1990年代、ニューヨークのアーティストたちの間でエイズで死亡する人々が増え、そうした仲間への追悼の気持ちと、エイズに苦しむ人々への理解と支援の意思を示すため「レッドリボン」運動が始まったそうです。
赤は「血の色」であり、古来、命の象徴なのですね。